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レビューの際に調査地をGoogleMapsで紹介すると面白いかも。今日の論文は有名なココ
Living in a ghetto within a local population: an empirical example of an ideal despotic distribution Oro D ECOLOGY 89 838-846 2008 不均一な環境で、動物たちは適応度を最大にしようと良い生息地を探す。分布に関係する有名なモデルは2つあり、一つは動物が理想的な全知性をもち、自由に移動できるときの、理想自由分布(IFD)。もう一つは、ある個体たちが質の良い場所を独占して他の個体たちを追いやる、理想専制分布である(IDD)。 本研究は、キアシセグロカモメのコロニー内でIDDが見られるかどうかをで調べたもの。このコロニーには質の異なる2つの繁殖地のパッチが隣接している。10年以上にわたる調査の結果、若い個体が質の悪いパッチに入っていた。彼らは繁殖に失敗した後、高質パッチへの移動を試みるものの、高質パッチの個体に追い出されていた。さらに、低質パッチの個体の適応度は、高質パッチのものより低かった。これらの行動データは、IDDをサポートする。 しかし、IDDでは個体群密度が高くなるときに低質パッチが利用されるのだが、本研究では高質パッチがあまっていた。もしかすると、同種が高密度で繁殖するサブコロニーにひかれて近くに巣を構えたその場所が、繁殖には不適な場所だったのかもしれない(ある種のevolutionary trap)。 #
by b-logging
| 2009-12-25 16:25
mixi、Twitter、コメント欄……。繋がりたがる時代。
Geomagnetic imprinting: A unifying hypothesis of long-distance natal homing in salmon and sea turtles Lohmann KJ, Putman NF, Lohmann CMF PNAS 105 19096-19101 2008 サケやウミガメがどうして出生地に戻れるのか、未だ謎は多い。本論文は、出生地の地磁気に関するパラメータを頼りにして長距離回遊を成功させている可能性を論じたもの。 地球の地磁気の強さや伏角(地磁気ベクトルと水平面のなす角)、偏角(真北となす角)は、地域によって異なる。したがって、サケやウミガメが出生地の地磁気パラメータを数年間覚えられれば、そこへ戻ることができるだろう。実際、アカウミガメの孵化幼体は地磁気の強さや伏角を認識する。 また、地磁気を頼りに出生地に戻る際、地磁気の永年変化が問題となりうる(特に成熟に時間のかかるウミガメ類の場合)。しかし、計算してみると、産まれてから10年以上も出生地を離れるウミガメの場合でも、永年変化によって出生時の地磁気情報が無意味になるということはなさそうである。 そもそもなぜ出生地に戻るのか。おそらく、繁殖に適した環境条件がかなり限定されており、なおかつ、(人にとっては似たように見える場所でも)動物個体にとって環境条件の評価が難しいので、このような性質が進化したのだろう。 #
by b-logging
| 2009-12-17 17:30
カルロスがラボに加入して、師は走る。日本語が全くできない外国人に片仮名で名前を記入させる銀行(代理人不可)はどうなのか。
Animal movements in heterogeneous landscapes: identifying profitable places and homogenous movement bouts Barraquand F, Benhamou S ECOLOGY 89 3336-3348 2008 動物は非一様な景観を利用しながら利用する。最近は動物の詳細な移動軌跡が手に入るようになり、どのようにそれぞれの場所で動物がうまく時間を費やし、適応度を最大化しているのか、という研究が進むようになってきた。ここでまず、移動軌跡を「intensive(地域集中型)」と「extensive(大きく移動)」モードにわける必要がある。 中でも、First Passage Time (FPT)解析はよく使われてきた(コレ、コレ、コレ、コレ、コレ、コレ等参照)。しかし、FPTには用いる仮定の不確かさや恣意的であるなど、いくつかの大きな欠点がある。また、状態空間モデルを用いたパラメトリックな推定方法(コレなど)は有効な点は多いものの、correlated random walkなど、動物の移動について事前に仮定を置くが、これが妥当かどうかはわからない。 そこで本研究では、従来の方法の欠点(特にFPT)を指摘した上で、ノンパラメトリックな Residence Time Methodを開発した。等間隔にリサンプリングされた移動軌跡上の各点を中心として仮想的な円を描き、円内に滞在していた時間(Residence Time、RT)を計算する。このRTはローカルな空間利用情報を含んでおり、RTを信号とした統計的分割(Lavielle 2005)を適用することで、intensive/extensiveバウトを自動で分割できる。 #
by b-logging
| 2009-12-16 11:11
「ぼくには、まだわからないことがたくさんある。それをまた、これからいろいろとさぐってみるのがたのしみだが、きっとこんな質問がでるだろう。つまり、そんなことをしらべて何の役に立つのか、ということだ。
それには、ぼくはこう答える。ぼくはアゲハチョウという虫の世界を知りたいのだ、と。アゲハチョウはただの虫である。けれど、何十万年もの昔から、今のように毎年毎年あらわれてきて、生きては死んでいった。そのアゲハチョウたちの見ている世界、感じている世界は、もちろんぼくたちの世界とはまるでちがっている。でも、彼らに彼らなりの世界がないとは思われない。それはどんなものなのだろう。もしそれをすこしでも知ることができたら、ぼくらの自然というものの理解が、すこしは深まるかもしれないし、それによって、ぼくら自身のことが、もうすこしわかってくるかもしれない。現代はとくにそういうことが大切であるように、ぼくには思われるのだ」 (日高敏隆「チョウはなぜ飛ぶか」岩波書店) Analytical approaches to investigating seabird-environment interactions: a review Tremblay Y, Bertrand S, Henry W et al. MARINE ECOLOGY PROGRESS SERIES 391 153-163 2009 海鳥の行動や分布と、海洋環境を結びつけた218の研究を整理した論文。海鳥の分布を評価する方法は、オイラリアン的データ(海鳥がいた位置をグリッドに配置するようなもの)からラグランジアン的データ(時空間的に点が移動するようなもの)へと急速に変わりつつある。また、衛星リモートセンシングも一般的になってきた。しかし、海洋と海鳥の分布を結びつける統計的な手法は昔とそれほど変わっていなかった。データの特性に合った空間統計が必要である。 #
by b-logging
| 2009-11-20 14:30
Using likelihood to test for Levy flight search patterns and for general power-law distributions in nature
Edwards AM JOURNAL OF ANIMAL ECOLOGY 77 1212-1222 2008 動物が効率良く探索しているかどうかを判定するため、ベキ分布の一種であるLevy walkの当てはめが良く行われてきた(たとえばコレ)。Levy walkかどうかは、移動距離や時間の頻度分布を描いて log-logプロットしたあと、直線回帰して傾きを見る方法が使われてきた。これまでワタリアホウドリほか、ジャッカル、トナカイなどでLevy walkの証拠が挙がっている。 しかし、Edward et al. (2007, NATURE)でも指摘されたように、この判定方法ではbinサイズが恣意的、適合度の考察がなされないなどの問題がある。本研究では、よくつかわれるLT(Log-Transforming)法に加え、LBN(Log-Binning with Normalization)、RF(Rank/Frequency)、MLE(Maximim Likelihood Estimation)の4つの方法をシミュレーションデータに対して適用した。 その結果、MLE法が最も正確にLevy係数を予測することが分かった。また、LT法では正確な予測は難しく、これまでLevyと判定されてきた研究も再考が必要である。 #
by b-logging
| 2009-11-10 15:31
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